相談事例

相談事例vol.5

2021年11月30日

Q:共有名義の相続不動産を売却するにあたって、共有物分割訴訟と遺産分割調停のどちらで進めていくのがよいか。

相談の背景

相談者の父母は甥家族と共に実家(父母の共有名義)で暮らしていた。3年前に母が倒れ入院して以来、相談者は母の、甥家族は父の面倒を見ていた。
父が亡くなり相続が発生したが、実家の相続にあたって相談者と甥家族が揉めている。相談者としては実家を売却して現金化し、母の入院費や施設への入居費に充てたいと考えているが、甥家族は今後も実家に住み続けたいとのこと。
実家を売却して現金化したいという相談者の意向を叶えるには、共有物分割訴訟と遺産分割調停のどちらで進めるのがよいか、ご質問させていただきたい。

A:遺産分割調停で共有持分の買い取りという形で折り合いをつけることとなるでしょう。

弁護士の解説

まずは遺産分割調停を行い、お母様の共有持分も含めて売却を目指していきます。
しかし、甥家族がご実家を生活の拠点とされているのであれば、そちらの意向が通る可能性が高いため、お母様の共有持分を買い取ってもらう形で現金化をする方が現実的であると考えられます。
なお、ご両親が実家を共有名義にした経緯や事情によっては共有物分割訴訟ができない可能性もあるためご注意ください。

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