相談事例

相談事例vol.4

2021年10月14日

Q:相続人の1人が拘置所に勾留中の場合の不動産名義変更手続きについて伺いたい。

相談の背景

夫が亡くなり、相続人は妻と子3名の計4名。
三男は拘置所に勾留されており、裁判はまだ始まっていない状態。裁判の判決が出るのには数年もの月日がかかることが予想される。
通常、不動産名義変更の際には遺産分割協議書に相続人全員が署名捺印の上、印鑑証明書を添付する必要があるが、三男は拘置所に勾留されているため、手配することができない。
この場合の手続きについて伺いたい。

A:勾留中の場合、拇印と拘置所長の奥書証明で対応できる可能性があります。

司法書士の解説

明確な規定が民法等で定まっているわけではありませんが、下記の不動産登記の先例を参考に検討します。

・不動産登記先例(昭和39年2月27日民事甲第423号)

刑務所在監者が登記義務者として印鑑証明書を提出できない場合には、本人の拇印である旨を刑務所長又は刑務支所長が奥書証明した委任状を添付するべきである。

これは、不動産の売主等のいわゆる登記義務者が刑務所在監者の場合の先例となっていますが、これを根拠として法務局に、遺産分割協議書に添付する印鑑証明書のかわりに「本人の拇印」+「拘置所長の奥書証明」で対応したい旨の登記相談を行った上で、申請を行っていただければと思います。

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