相談事例

相談事例 vol.3

2021年10月14日

Q:父の面倒を見ていた長男の妻への謝礼金を、次男や三男に強制することは可能か。

相談の背景

長男の妻は、被相続人である父の晩年の面倒を見ていた。
長男は、次男と三男に対し、父を世話していたことについての謝礼金を妻へ支払ってもらうことを検討している。この支払について、覚書や契約書等の書面を作成することで強制力を持たせることは可能か。

A:「特別寄与料」を確実に受け取るには、合意書を公正証書にて作成するとよいでしょう。

弁護士の解説

謝礼金は、次男と三男から長男の妻に対する「特別寄与料」という位置づけになります。
既にご存じではあるかと思いますが、特別寄与料とは2019年から導入された新しい制度であり、相続人以外の親族であっても、被相続人に対して特別な寄与をした者は、その貢献が考慮され、相続人に対して特別寄与料を請求できるようになりました。
特別寄与料の支払いに強制力を持たせるためには、長男の妻、次男、三男で協議の上で金額を決定し、合意を得た上で「合意書」を作成するべきです。

この合意書は、強制執行認諾文言付きの公正証書にて作成しておくことで、万一支払われない場合には、次男や三男の財産を差し押さえることが可能です。
また、私文書であっても訴訟を提起し、判決を得た上で差押えをすることができます。

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