相談事例

相談事例vol.29

2023年04月27日

Q: 親や家族が亡くなった後や認知機能が低下したときに、生命保険の契約先が分からない場合はどうしたらよいか。

相談の背景

親が亡くなってしまった。生命保険に加入していたようだが、どの保険会社に加入していたのかを聞いていなかったため、生命保険の保険金を請求することができずに困っている。
生命保険契約を確認するための保険証券や保険会社からの郵便物、預金通帳の保険料の口座振替履歴等を探しても見つからない場合は、保険金を請求できないのか。

A:「生命保険契約照会制度」を利用することで契約の有無を確認することができます。

弁護士 森田雅也の解説

生命保険契約紹介制度とは、一般社団法人生命保険協会が窓口になり親族等に代わり、一般社団法人生命保険協会に加入している生命保険会社(現在42社)へ保険契約の有無を一括で照会できる制度です。これまでは、一社一社個人で確認しなければなりませんでしたが、令和3年(2021年)7月からこの制度が利用できるようになりました。
下記3つの状態いずれかに該当する場合、この制度を利用できます。

  1. 平時において死亡した
  2. 平時において認知判断能力が低下した
  3. 災害で死亡または行方不明となった

平時において死亡または認知判断能力が低下した場合は、照会1件につき3,000円(税込)にて、オンラインまたは郵送で申し込み手続きができます。郵送の場合、手続きの流れは下記のとおりです。
① 申し込み依頼

② 生命保険協会から申請用紙等が到着(申請日から3~4営業日)

③ 申請用紙や必要書類の返送

④ 支払伝票にて手数料支払い(書類提出から約2週間後)

⑤ 回答書の到着(手数料支払い後約2~3週間後)
申し込み依頼から回答書が届くまでには、1ヵ月半程度かかる見通しです。
オンラインの場合は、①契約照会システムへのユーザー登録、②「生命保険契約照会 同意書」等のダウンロード、③「生命保険契約照会 同意書」等の作成・準備・提出、④「生命保険契約照会 同意書」等の提出/不備対応、⑤制度利用料(3,000 円)の支払い(クレジットカード又はコンビニエンスストア支払い)⑥契約照会結果の受取り(手続の終了)となります。
災害で死亡または行方不明となった場合については、専用ダイヤルに直接問い合わせる必要があります(利用料はかかりません)。
詳細は、生命保険協会ホームページをご覧ください。


<解説>
弁護士法人Authense法律事務所
弁護士 森田 雅也
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