相談事例

相談事例vol.16

2022年05月31日

Q:記名国債を相続するためにはどのような手続きが必要ですか?

相談の背景

被相続人は戦没者遺族であり、特別遺族弔慰金として記名国債を受け取っていた。
記名国債を相続することは可能か。可能な場合に必要な手続きについて伺いたい。

A:記名国債は相続することが可能です。手続きの流れは下記の通りです。

弁護士 森田雅也の解説

「戦没者等の遺族等に対して発行される記名国債」とは、先の大戦での戦没者の遺族や引揚者などに対して、弔慰金として金銭の支給に代えて交付される国債です。

記名国債は、その発行目的から、譲渡や担保権の設定などの処分が禁止されていますが、相続は可能ですので、民法上の相続人である相談者様は、国債の記名を変更することによって、引き続き償還金を受け取ることができます。

変更は、請求手続きの際に指定した郵便局又はゆうちょ銀行等の償還金支払場所に以下の必要書類を持参することで手続きが可能です。

  • お手持ちの記名国債
  • 記名国債証券記名変更請求書(償還金支払場所に備付け)
  • 記名者の死亡を確認できる戸籍謄本又は住民票
  • 先順位の相続人であることが証明できる戸籍謄本
  • 本人確認書類
  • 印鑑

なお、記名国債は弔慰金を原因とする交付にあたるため、相続税の計算上は、相続財産として計上する必要はありません。(戦没者の遺族に対する特別弔慰金支給法第12条)

<解説>
弁護士法人Authense法律事務所
弁護士 森田 雅也

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