相談事例

相談事例vol.7

2021年12月23日

Q:被相続人の相続財産である広大な山林の処分方法についてお伺いしたい。

相談の背景

相談者様は相続人の妻。被相続人の財産として広大な山林が残っており、固定資産税を毎年相続人である夫が支払っているとのこと。処分するのに費用がかかっても良いから、いち早く処分したい。不動産会社にて調査を行うも土地が広すぎて(42,444m)土地の特定ができず、売却価値の観点からも売却は難しいと言われてしまった。他に処分する方法はないのか。

A:市区町村への土地寄付制度の活用を検討しましょう。

弁護士 森田雅也の解説

市区町村の土地寄付制度を活用できる可能性があります。
実際に利用した制度の概要を以下にてご説明いたします。

【寄付制度の要件と手続きの流れ】

毎年2回の役場内の審議会にて寄付の可否が決定されます。
審議会開催の2か月程度前までに、下記の書類を記入し、受付してもらう必要があります。

  • 土地寄付希望調査書
  • 寄付希望相談確認事項

審議会後の流れですが可否の結果を役場の担当者から依頼者に対して文書で通知があり、
寄付が可能であれば、町役場の担当者が登記まで行って完了となります。

【土地の寄付までに依頼者側が行う事】

  • 相続の際は土地の名義を被相続人から依頼者本人に変更。
  • 依頼者本人の印鑑登録証明書の提出
  • 手数料、郵券などの実費のお支払
  • 抵当権が残っている際は抵当権の抹消登記

【寄付の審査で除外されてしまう土地の要件】

  • 土地に関して「管理費」の支払いが発生している土地
  • 登記地目が農地(田・畑)
  • 抵当権が残っている
  • 現況もしくは地目が墓地である
  • 防災上危険区域、隣接地に所有者が別途存在している土地
  • 実際に建物が建っている
  • 宅地や雑種地

管理コストの増加等のため宅地や雑種地などは、佐用町での事業での必要性がない限り受納の可能性は低くなっています。

以上が実際に利用した市区町村の土地寄付制度の概要となります。
土地寄付制度を活用できる可能性がありますので、不動産売却が難しい広大な土地の処分についてご相談があった際は、まずは役場に土地寄付制度があるかどうか確認してみてはいかがでしょうか。

<解説>
弁護士法人Authense法律事務所
弁護士 森田 雅也

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